研究テーマ

プロフィール

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中俣 尚己
Naoki NAKAMATA

生年月日
1981年8月24日生まれ
出身地
大阪府
所属
京都教育大学教育学部准教授
メールアドレス
nakamata@kyokyo-u.ac.jp

著書

研究テーマについて

ここでは、中俣の研究テーマを

  1. 並列表現の記述的研究
  2. 中国語話者を対象とした習得研究と学習者文法
  3. 評価的意味の記述
  4. コーパスを活用した語彙と文法のコロケーション研究
  5. コーパスを活用した文法形式の計量的研究
  6. ICTを活用した日本語教育
  7. 談話コーパスを活用した研究

の7つに分けて説明します。

1.並列表現の記述的研究

学部の卒業論文からのテーマです。言語における「並列」に興味を持っています。 日本語にはのように二つ以上のものをまとめて言う様な形式がたくさんあります。 例えば、「りんごとみかん」「りんごやみかん」「りんごとかみかんとか」「りんごもみかんも」などの言い方です。 りんごやみかんは物質、つまり名詞句ですが、事態、つまり述語を並列する時にも「善人もいれば悪人もいる」 「善人もいるし悪人もいる」「善人がいて悪人がいる」「善人がいたり悪人がいたり」のように色々な言い方があります。 英語ではandとorで全て事足りることを考えると、驚くべきバリエーションの豊富さです。 この使い分けの説明として、従来は集合論の考え方を使ったり、一部列挙か全部列挙かという考え方を使ってきました。 しかし、それだと「数学や理科が得意です」は問題ないのに、「国語や体育が得意です」という言い方は少し不自然だ、 ということが説明できません。これは今までの考え方が大ざっぱだったということで、それをもう少し詳しく調べていこうと思っています

このテーマに関する主な業績

2.中国語話者を対象とした習得研究と学習者文法

「太郎も花子も1年生です」「夜も更けて参りました」「も」ではどちらが外国人にとって難しいでしょうか? これまでの常識では、意味的に説明のしにくい後者の方だと考えられてきましたが、実際のデータを眺めると、 どうやら前者の方が難しいようなのです。これは、日本人が頭で考えた文法だけでは、必ずしも学習者にはマッチしていない、 ということを意味します。並列表現の研究の延長線上で始めた研究ですが、今は他の形式にも関心を広げています。

このテーマに関する主な業績

3.評価的意味の記述

評価的意味とは簡単にいえば、「良い内容」「悪い内容」かということです。 日本語の表現の中には良い内容と結びつくものや、悪い内容と結びつくものがあります。 例えば、「これほどの……」と言えば、後には褒める内容が続くでしょうし、「この 程度の……」と言えば、 後には貶す内容が続くでしょう。絶対のルールではありませんが、しかし予測させる「何か」があります。 この主観的な意味を記述する方法を考えています。

このテーマに関する主な業績

4.コーパスを活用した語彙と文法のコロケーション研究

コーパスとは大規模な電子的言語データの集合体のことです。 国立国語研究所作成の現代日本語書き言葉均衡コーパスなどを用い、 特に機能語と実質語の組み合わせに焦点をあて、日本語教師が例文を作る時に役に立つ情報を取り出そうとしています。 例えば、従来の記述文法では、状態を表すとき、自動詞なら「開いている」のように「ている」を使い、他動詞なら「開けてある」のように 「てある」を使うと説明されてきました。 しかし、コーパスを調べると、何と「てある」の半分近くが「書いてある」で占められていたのです。 これは「てある」を教えようとする時に欠くことのできないデータです。コーパスからわかる結果を日本語教育に取り入れていくことが目標です。 現在、100項目の初級文法項目について調査結果をまとめ、現場用のハンドブックを執筆しています。

このテーマに関する主な業績

5.コーパスを活用した文法形式の計量的研究

これもコーパスを用いた研究テーマですが、4番のテーマが個々の形式のコロケーションに注目するのに対し、 こちらは例えば100項目の形式を一気に比較することで、日本語の新しい姿を明らかにしようとするものです。 ある意味、ハンドブック製作の副産物で、4番がミクロ視点の研究とすれば、5番は マクロ視点の研究になります。 現時点ではある文法形式がどれだけの種類の項目と共起可能かという「生産性」という概念に興味を持ち、これを定式化する方法を模索しています。 その他、習得との関係や文体の計量にも興味があります。

このテーマに関する主な業績

6.ICTを活用した日本語教育

ICTとはInformation & Computer Technologyのことです。 ここでは、特にSkypeFacebookといったソーシャルツールを使って、 日本の学生が、海外で日本語を学ぶ学生に日本語を教えることを通して、 外国人とのコミュニケーションや、言語教師としての心構えを学ぶという実践を行なっています。 これまで、京都外国語大学とハワイ大学カピオラニコミュニティカレッジ、 実践女子大学と湖南大学を結んだ実践などを行なってきました。 他の研究よりも実践を伴い、学生の成長を見守ることの出来るテーマです。 また、Skypeの会話をコーパス化し、談話研究につなげることも計画しています。

このテーマに関する主な業績

7.談話コーパスを活用した研究

書き言葉だけでなく、談話特有の現象にも興味を持っています。 特に、会話教育にとって真に有益な情報は、話し言葉からしか得られないと考えています。 現在、上記のSkyp活動の会話を元に独自のコーパスを作成しました。今後はこれをもとに研究を勧めます。。 特に「話題」による違いに関心があります。

このテーマに関する主な業績